少年野球から学ぶ

少年野球僕は、4年ほど前から少年野球チームに育成者として関わっている。僕の2人の息子は野球が大好きで、長男は中学校の野球部に所属し、次男は近所の“戸越イーグルス”というクラブチームに所属していて、僕自身もそのチームの監督をしていた。今年6年生になった次男は、受験勉強を理由に休部しているが、一緒の時間を共有してきた子供達の卒業を見届けるべく、僕は未だにコーチとしてそのチームに残っている。

少年野球の監督といって、バカにしてはいけない。試合と練習の全てに参加し、育成方針を立て、練習メニューを作り、週末のスケジュール作成と配信、他の育成者や両親とのコミュニケーションという名の飲み会、少年野球連盟の会合など、週末はほぼ全滅。平日にも影響を与えるほど多忙を極める。もちろんボランティアである。日本全国に何万とある少年野球チームは、自分も含めたそういう大人達によって支えられていると、改めて知った。

僕は学童と呼ばれる5・6年生のチームを率いていたが、6年生はたったの2人、5年生は7人で、合計9人ギリギリという、最初から崖っぷちの状態。病気をする子もいれば、怪我をする子、塾などで来れない子もいるのだが、そういうときは4年生を借りてくる。とにかく5年生を主体にしたチーム編成をしければならず、1歳の体力差がまだまだ大きいこの頃の子供達にとって、これはギリギリの人数と相まって、結構なハンディで、そう簡単には勝たせてもらえなかった。むしろ負けることが多かった。

僕は、“勝つ野球”と“楽しい野球”の違いに最後まで悩んだ。試合に勝つと、子供達は歓喜し、自信をつけるので、勝たせてあげたい。しかし、勝つためには、それなりの練習をしなければならないし、厳しくしなければならない。

では、子供にとっての“楽しい野球”って何だろう?
勝つこと?ホームランを打つこと?友達と楽しい時間を過ごすこと?
子供とのミーティングでは、いつもこれを子供達に問いかけた。

僕らが、品川区や東京都で優勝を争うレベルの選手層を持っていれば“勝つこと”=“楽しい野球”として、厳しい練習を課していただろう。しかし、そうではない現実を前に、何を目標に彼らと“楽しい野球”をすべきなのか。結局僕が導きだした答えは“成長すること”だった。子供には少し難しい表現なので、“うまくなること”とか“前よりも良いプレーをすること”という言い方に変えた。だから、エラーをしても、三振しても、負けても、前より良ければ、それでよしとした。

シーズン中は、なかなか思うように物事が進まなかった。でもずっと最後の最後になって、チームは少しだけ成長したように感じた。シーズンの最初は、やる気を微塵も感じさせなかった、キャプテンの6年生が、4番キャッチャーとして地域のオールスター戦に出場し、見事ホームランを打って、大会MVPになった。涙が出るほど嬉しかった。もう一人の6年生もセカンドで好プレーを見せて優秀選手として表彰された。中心となってチームを支えた5年生も、ずっとうまくなった。一年間監督をして、できたことよりも、できなかったことの方がよっぽど多いけど、一番大事なことは、子供達が全員何らかの成長をしたということ。少しだけの子もいれば沢山の子もいる。でも、野球を通して成長することを、子供は学んだ。そして、自分は子供達以上に、そのことを学んだ。

会社も、まったく同じだと思っている。何かに取り組んでも、その結果が出るまでに、長い時間がかかる。子供のように素直じゃない分、もっと時間がかかるかもしれない。

“楽しい(ワクワクする)仕事”とは、“成長する仕事”だと思う。昨日と同じ毎日を過ごすことに成長はないし、ワクワクもない。前よりもハードルを上げると、壁にぶち当たり、問題が起きる。だから怖い。それでも、リスクを承知の上で、それに挑み、越えることで、成長が促され、仕事のレベルが上がる。そして、その先に「変な会社」があるんだよね。そんな社員ばかりがいる会社で働いたら、どんなに楽しいだろうとゾクゾクしてしまう。そして、近い将来、それが現実になる。

世界一をめざすということ

これだけ感動させてもらったから、書かないわけにいくまい。

7月18日午前6時30分、僕はベッドの上でひとりつぶやいていた。ちなみにTwitterではない。女子サッカーW杯の決勝戦で、延長の30分でも決着はつかず、PKを前に円陣を組む選手と監督が笑っているのを見て確信してしまったときだ。
「あー勝っちゃうよ、どうしよう勝っちゃう。」

実は、ぜんぜん期待していなかった。アメリカに勝てるわけがないだろうと思っていた。身長、体重、経験、身体能力と、アメリカの優れたところはいくらでも書くことができても、日本にはなかなか見当たらない。パスの正確さ、小回りが効く、スタミナ、スピード、などに日本の優位性が見られるかもしれないが、アメリカの持つそれから比べると、圧倒的なアドバンテージとは思えなかった。

負けると思っていながら、朝の3時には目が覚めた。でも最初の得点を入れられた5時頃、僕はウトウトしていた。やっぱり負けたと思って・・・
でも13分後の宮間のゴールでパチッと目覚めた。そして 、自分が泣いちゃうのを知っていたので、冒頭の「勝っちゃうよ」になったのだ。

もしかすると、彼女達に勝つ自信はそんなになかったかもしれない。でも、彼女達には強い精神力があった。そうでなければ、勝ち越された後に、2度も追いつくことはできない。
アメリカからしてみると、絶対に勝てると思っていた相手に対して、2度もリードしたのだ。先制すれば諦めるだろうと思っていたのに、追いつかれた。延長で自分達のエースが決めた時に、とどめを刺したと確信した。でも、最後の最後でまた追いつかれた。ゾンビを相手にしている感覚だったのではないだろうか。しかも日本は、PKを前に、笑みを浮かべて円陣を組んでいるではないか。こうなると、追いかけられる側は、通常の精神状態でなくなってしまう。PKを普通に蹴れなくなっていたアメリカの選手が、監督とチームメートから笑顔で送り出されたGK海堀に止められたのは当然だった。

42年前の今日、人類は初めて月に降り立った。
“That’s one small step for a man, one giant leap for mankind.” というアームストロング船長の言葉は、あまりに有名だ。

プロとして仕事をしている僕たちは、自分達に有利で自信を持って戦える状況が与えられることは滅多にない。むしろ、今まで全く経験したことのない無茶苦茶な環境におかれて、それでも成功を求められることがよくある。というか、それが殆どだ。そしてそれが、史上初とか、世界一という称号が与えられる場合であれば、なおのことだろう。

アポロ11号とそのクルーは、常に死と隣り合わせの状況で、未知の世界を旅し続けた。

なでしこジャパンは、ほぼ全ての要素において不利な状況でも、絶対にあきらめず、技術と体力ではなく精神力で世界を制し、震災でダメージを受けた日本とサッカー界に“大きな一歩”を標した。

さあ次は・・・

TSSが、ものづくりの世界に“最初の一歩”を踏み出す番だっ!と勝手に決めた。

こんな写真を勝手に作っちゃったけどNASAから削除命令来ちゃうかな?

 

エクスペリエンス1.1

前回報告した、EVリーフ君。初めての時は、感動しまくりで、あばたもえくぼ。その後、何回か乗る機会が巡ってきたので、冷静に乗ってみた。すると色々見えてきたので、続報。

どれだけ走れるのか?

フル充電から、高速100km/h巡航で航続距離120kmくらいが限界。しかもエアコンオフで。真夏に快適なドライブをしようとすると航続距離は100kmを切る勢い。うわぉっ!
60km/hキープで走れば、150km以上行けそうだけど、そんなシチュエーションなんかないので、現実的な航続距離は100〜120km程度だと思う。そして、バッテリーが空の状態から、フル充電まで10時間!!くらいかかる。例えば東京から富山まで約400kmを高速で走るとすると、フル充電でスタートして、100km走った1時間後に電池がなくなり、10時間充電をして、また1時間走って・・・3回の充電と100km x 4回の走行で、計34時間!!!! うわぉっ! そして、実際には100km毎に充電設備があるわけではない。とても長距離は無理だ。

どうやって充電するか?

普通の100VコンセントはNG。特別なコネクタが必要だ。
だから、充電設備をするためには、日産のディーラーの場所を確認しておく必要がある。そして、ディーラーは営業時間内しか対応してくれないはずなので、満タンにしたかったら開店から閉店まで、ずっとそこに置いておかないとダメなのかっ?!あり得ない。そんな使い方をする人は絶対にいない。借りてるこちらとしては、バッテリーのことを常に心配しながら運転しなければならない。

その日、気温は25℃を超えて、我慢しきれずエアコンをONに。その瞬間、推定航続距離の表示が1割減った。うわぉっ!
しかも、その日は朝礼のために急いでおり、100km/hオーバーのペースで高速を走ったら、朝日第一工場に着いた時には、もうバッテリー残量が半分。このままでは、空港まで帰れない・・・

もう、充電が必要な事態になり、トランクをあけてみたら、充電ケーブルは付属してるものの、200V用で特殊なコネクタがついてる。ウチも工場なので、200Vは通っているのだが、そのコネクタには対応しない。
すると、どこからともなく登場したのが、たまたま工場に別件で来ていた電気屋さん。この方、実はFさんのお父さん。そのケーブルを見るなり、「あー、何とかなるよ。1時間ほど待っとって。」
ということで、待つこと1時間。本当に持ってきてくれて、工事までしてくれた。つないで見ると「Charge」のランプがON。うぉー、充電してる。
4時間ばかり充電すると、なんとバッテリーは80%くらいまで回復しているではないか。

Charging Leaf

充電ケーブルをリーフ君の鼻に突き刺す藤沢君

電池切れの恐怖から、ケチな節約運転を強いられ、フラストレーションの溜っていた僕は、そこから解放された勢いで、初めてフルスロットルをくれてやりました。スゴっ!めちゃくちゃパワフルなのに、超スムース。一気に100km/hまで加速していくけど、滑らかな事この上ない。こりゃ、どんなエンジンも敵いません。ナイショで出した120km/hくらいではロードノイズが結構あって、静かさは以外とない。でも、追い越しなどで加速するとき、普通はエンジンが唸っちゃうところ、シャーーーンっていくんだよね。説明のしようがない。これは楽しいと思ってしまった。これぞ「エクスペリエンス」。

ちなみに充電率80%で、多少やんちゃな運転をしながら、空港までの50kmを走ったところ、返却時のバッテリー残量は13%。やはり航続距離と充電の方法が、電気自動車実用化のポイントで、今のリーフ君では、大都市圏でチョイ乗りに使って、夜は充電というライフスタイルにしか合わない気がする。でも、誰かが始めなきゃいけなかったんだよね、これ。電池のことも充電のことも承知の上で、それでも日産がやってみたから、こういうことがわかって、次に進めるんだよね。これ、普通に考えたら、リスクだらけだから、これに”GO”を出したゴーンさんはやっぱりイカれてるけど、とってもイカしてる。これから本格的にやってくるEV時代に、パイオニア(開拓者)としての日産がどう活躍するのか、そしてこれを見たトヨタがどのようなEV戦略をとるのか、とても楽しみだ。