りんごに恋して その2

(前回から続き)
そして2007年7月、ふたたびリンゴちゃんに恋してしまう。初代iPhone の登場だ。
本気で欲しかったけど、当時の日本は、PDCという通信方式を採用する世界で唯一の国で、そのiPhoneが使えるのは世界標準のGSM方式を採用している日本以外の国々だけだった。それでも買いたいと思ったけど、さすがに電話として使えない携帯電話は持てなかった。

翌年iPhone 3Gが発表されると、いてもたってもいられなくなったが、並ぶのだけは何故か自尊心が許さず、予約したSoftbank大森店からの電話を首を長くして待った。結局手にしたのは、発売日から1週間後だった。モノを買ってあんなに感動したことは、その昔Alfa156が納車された日以来のことだ。まず、パッケージが凄い。箱はもちろん、梱包資材まで、見た目と材質に、コストが許す範囲でとことんこだわっている。重箱のように重なっていて、本体が美しく見えるようにフィルムで梱包されている。素晴らしいモノを購入した人にとって、それを開封するという行為がひとつの儀式であることを理解し、その喜びを演出するためにとことん考え尽くされているのである。たぶん。

外観や機能については、もはや言うまでもない。すべてのアップル製品に共通した、ハードとソフトに対するデザインへのこだわりは、クレイジーというしかなく、モノを作る会社の社長として、感服してしまう。未来のTSSにとっては、パクりどころ満載だ。素晴らしい。

iPhone4は現在ある工業製品の中でもベストと言えるほどデザインとして完成していると思うし、MacBook Airのユニボディは、他のラップトップと比較するのがバカらしくなるほど美しい。特に凄いと思うのは、Jobsさんはよっぽど穴が嫌いだったのだろう、どの製品にも冷却のための通気孔が開いてない。よって面の連続性が保たれて、シンプルでソリッドなビジュアルが際立つ。ただ外観だけでなく、触ったり、持ったり、閉じたり、押したりするときの質感とビジュアルが所有することを誇りに思わせてくれる。もう参りました。

iPhone 3Gでりんごちゃんと復縁した僕は、iMac、iPad、MacBook Pro、iPhone 4、MacBook Airと、飲み代以外のお小遣いは、ほぼすべてがApple社の売上げの一部となった。Appleから新製品が出る度にワクワクさせられ、Jobsさんの術中に面白いようにハマっていった。ハマっているのが気持ち良いのだ。この恋は本物だった。

見た目が美しく、手に取ると気持ちよく、起動すると昂り、使うと楽しい。同じモノづくりをする者にとって、いつも手本だと思っていた会社、Apple。そして、本物を作ることにこだわり続けたSteve Jobs。彼はあまりにも速く、時代が彼に追いつけなかった。彼は最速の壁を常に突き破り続けた末、最後にはこの世を去るという選択肢しかなかったのかもしれない。モノづくりの会社の経営者として、彼の残したメッセージをどう受け継ぐのか。今は、彼に強烈な宿題を出された気分だ。

本当に美しい

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