東京マラソンプロジェクト Vol.2 〜 リベンジ その4

実は1月4日に走った。フルの練習の予定だった。
もう慣れたと思い、以前より1kmあたりのペースを10秒ほど上げて、5’25″/kmでサブ4を目指して走ってみた。しかし、なんだかキツい。10秒ってそんなに違うの?! でも、絶対に何かおかしい。そして、12kmくらいから急に身体が重くなり、20kmでストップ。理由はわからないけど、無理にプッシュしないことにした。きっと理由は、肉体的なものではなく、精神的なもの。弱いな、オレ・・・

そして1月8日。今日は何だか、調子がいいかもしれない。
前日に受けた、世界一痛い(僕が勝手に決めた)整体のせいか、はたまた中2日空けたせいか。
10km走っても、疲れがくる気配がしない。ペースは前回と同じ5’25″/kmでも余裕がある。しかし、この日は、お台場に来て初めてとも言える、風の強い日。もろに向かい風になって、全然進まない区間がいくつかある。特に人工浜のところは遮るものがなくてつらい。

それでも25kmくらいからキツくなり始めて、5’25″/kmペースが維持できなくなる。だんだんペースが落ちる。35kmまでは1km5分台を維持したが、35kmを越えて、一気にペースダウン。6分を越える。脚は全然動かない。そこからお台場の7kmコースをもう一周することが、途方もないことに思えた。

時計にはそこまでの平均ペースが表示される。サブ4で走るには5’41″/km平均が必要だから、時計の表示が「5’41″」はセーフで「5’42″」になるとアウト。30kmまでは「5’26″」の表示が続いていたが、徐々にペースが落ちて、35kmを越えると「5’30″」に。そして、40km越えたところで「5’40″」になってしまった。もうダメかと思ったが、最後の力をふりしぼって、鉛の棒と化した脚を無理矢理動かす。カッコつけて走りたいけど、顔も身体も歪んでる。しかも最後の区間が向かい風。35kmで止めときゃ良かったと何度も思う。

ついに42km達成!
もう1m、いや1cm、いや1mmも走りたくない。
気になる結果は3時間55分03秒。一応サブ4。

お台場の人工浜を背景に。誤差のために41.46kmになってますが、実際は42km。

10kmに慣れている身体で15kmを走ると、最後の3kmがつらい。でも次に20km走ると、15kmはつらくなくなり、17kmから先がつらくなる。忘年会続きでサボってしまい、2週間走らなかったりすると、またすぐに元に戻って10kmすら辛くなる。そうやって、前進と後退を続けながら、25、30、35kmと距離を延ばしてきた。

いつも思うのは「何でゼロからスタートしなきゃいけないんだ!?」ってこと。

10kmから20kmに延ばす過程で、0kmから10kmを必ず通過しなきゃいけない。そこは省略させてくれない。最初の10kmがあって、初めて、10kmまでの身体の負担や疲れ、辛さが経験でき、その先の距離に身体が順応する。20kmから30kmも同じ。

できれば「前回の10kmまでのあらすじ」みたいに始まって、最初の10kmは省略して、その先を経験したい。ゲームみたいに、6面クリアしたので、次は7面からって。そうすれば時間も省略できる。でも、それができないのがミソなんだろうな。

毎回ゼロにリセット。2時間かけて20km、3時間かけて30km。それまでの過程を毎回経験して、その日のコンディションの違いを感じ、その先を目指す。こういう地道なのは、本来自分向きではない。

「今日の身体はどうだ?」「オレ何でこんなことしてんだろう?」「風強いなー」「デート楽しそうだな」「まだ15kmも走るの?」「ヤバい、脚に来始めた」「もうやめちゃおうか」「いや、やめない」

約4時間もの間、他愛もないことを考え、自問自答しながら過ごす。実は走るのは好きじゃない、と何度も書いているが、結構悪くないと思い始めてる。

東京マラソンプロジェクト Vol.2 〜 リベンジ その3 新春走り初め

今回は大晦日と元旦を箱根で過ごした。
そして、その宿泊先は、たまたま箱根駅伝のコース脇。初日の最終区間である5区の途中にあり、往路ゴールとなる芦ノ湖まで10km弱のところだ。以前にも来たことがあるところだが、箱根駅伝が目の前を通るなんて知らなかった。ということで、1月2日は、駅伝観戦をして帰ることになった。

その前に、せっかく箱根に来てるんだから、やっぱり自分で走ってみたくなった。
実際に、あの「山登り」を体験したら、”山の神”柏原や他の5区のランナーがどんなところを走っているのか実感でき、テレビ観戦もより熱が入るというものだ。ということで、今年は、学生ランナーの聖地、箱根で走り初めだ。

チェックポイントにもなっている小涌園から少し下ったところからスタート。本番前日ということもあり、カメラを実際に設置したり、バイクや車に乗ったカメラマンが、コース上を走ってリハーサルをしていた。

本番前日の5区、13.5km付近。写真では、坂のキツさは伝わらない。

走り始めると、坂がキツいと思ったのは、予想通りだが、何だかいつもより胸がドキドキする。箱根を走る嬉しさか、緊張か?普段あまり心肺で困ることはないので、おかしいなと思った。あっ、そいうば、お屠蘇(とそ)とビールが少し入っているのを忘れてた。そんな身体だったので、芦ノ湖の往路ゴールはあきらめ、数km先にある箱根の最高地点を目指した。

すげーキツい。ホントにキツい。こんなに長い坂を登り続けたのは初めてだ。結局登った距離は約4km。平らなところはほぼない。通常のペースが1kmあたり5分20〜30秒なのに、ここでは6分30秒より速くなることはない。結局、4kmほど走って、箱根の峠最高地点である”曽我兄弟の墓”バス停まで登って、折り返してきた。下りは一転、肺への負担はなくなるが、急坂の衝撃は足腰に負担がかかる。とにかく普段の8kmランとは全然違う経験ができたし、翌日の観戦が楽しみになった。

そして、本番当日。前日とは打って変わって、人だらけの沿道。正月の国民的イベントだけあって、さすがの注目度。今年が最後の山登りとなる、東洋の柏原を観に来たという声をたくさん聞いた。ここ箱根では、柏原はアイドルだ。

我が母校明治は、10,000mで学生新記録を持つ、エース鎧坂を欠場させると発表。腰痛とのことだが、状態によっては、復路で走る可能性もあるということだ。明治は、あまり前評判も良くないだけに、今回は厳しくなると思った。

往路レースの結果はご存知の通り、東洋大が往路新記録で優勝。柏原も、2年前に自身で立てた区間記録を破る快走。さすがとしか言いようがない。驚いたのは、柏原も苦しいんだなってこと。同じ山を登った経験のある者として、あれを涼しい顔して登る奴は人間じゃねーと思っていたが、彼もやはり人間だった。ただ、速さは異次元だった。初めて生で観る駅伝で柏原を観れるのは幸せだが、僕の視界に留まったのはほんの数秒。とても信じられないスピードで山を駆け上がっていった。1時間16分39秒で23.4kmを走るということは、1kmの平均タイムが3分17秒。正気でない。

こんなに苦しい顔。そりゃつらいよな、あんな坂を20kmも登るんだから。わかるぞ柏原。

さて、母校明治は、51年ぶりの往路3位。”古豪”明治って連呼されるけど、要は最近勝ってないから、そういう呼ばれ方をするだけ。それが証拠に、第一回大会から明治と出ている早稲田は、そんな呼ばれ方しない。早く勝って、”古豪”をとってもらいたい。それにしても、エース抜きでの往路3位は上出来だ。

2年連続で、柏原に続く区間2位の明治大江。柏原が卒業する来年は山の神?

さあ、明日が楽しみになって来た。東洋に追いつくのは無理だろう。駒沢は復路が強い。早稲田は14秒前だから、チャンスはある。鎧坂が出場して、3強の牙城を崩して欲しい。有望な一年生が多い明治だから、来年以降は本気で優勝を狙える。勝てば、あのウザい”古豪”という呼び名もなくなる。

彼らの走りにインスパイアされた僕は、4日、再度42kmに挑戦する予定。今度こそ!