ダルビッシュの初登板で僕に見えたもの

さて、もう既に古い話になってしまった感もあるが、アメリカ時間の4月9日に、待望のメジャーリーグデビューを果たしたダルビッシュ。勝ち星がついたものの、我々が期待していたものとは、全く違う結果だった。彼が日本で見せていた、球威とコントロールで、バッターに打つ意志を失わせてしまうようなピッチング。さらに、あのマウンドでの圧倒的な存在感は、テキサスのスタジアムにはなかった。

あんなに狼狽したダルビッシュは初めて見た。はっきり言って、極悪のスタートだ。まぁ、多少荒れるのは覚悟していたから、もしかすると1点か2点はとられてしまうかも?とは思っていたが、あの点のとられ方は、想像していた最悪のレベルを超えていた。制球が定まらず、四球を連発し、カウントを取りに行くと打たれる。4点で収まったのがラッキーなくらいだった。

しかし、僕には彼の乱調と同じくらい驚いたことがあった。それは、彼に対する期待と監督の器の大きさである。明らかに、ベンチはあのゲームの勝敗よりも、ダルビッシュが経験することを優先していた。あの投球内容で、4点が入っていて、まだ1死満塁の状況である。替えない方がおかしい。ゲームを捨てたのも同然だ。でも、結果的にチームは勝ち、ダルビッシュが勝ち投手となり、全てが上手く行った。

監督の立場で考えてみるとわかるのだが、わずかな勝ちの望みにしがみつくより、あの窮地をダルビッシュに脱させることが、チームにとって大事だと考えたのだ。それは即ち、ダルビッシュが、まだ大リーグの試合を一戦も投げたことのないにもかかわらず、どれだけチームにとって大事なピッチャーとして扱われているかを物語っている。

上司と部下の関係で考えてみよう。鳴り物入りで入ってきた期待の新人が、いきなり仕事でヘマをした。そのとき、手を差し伸べず、代わりの人間も立てず、会社にもお客にも損失があることを承知で、その修羅場をあえて経験させる上司。凄い。それを乗り越える新人は凄いが、そこまでリスクを負える上司はもっと凄い。とても勉強になる。

もうすぐ2試合目の登板となるダルビッシュ。ただでさえ勝手に成功するであろう彼が、そんな監督のもとでプレーをするのだ。期待は高まるばかりである。

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新入社員

本日、入社式。

新しい4名の社員を迎えることができた。
彼らが、我々TSSを選んでくれて、本当に嬉しい。

彼らは、ただでさえ就職氷河期といわれるこの時代、東日本大震災の復興真っただ中の厳しい環境で就職活動を行い、ここにたどり着いてくれた。4名は全員関東出身だが、意を決して富山の地に入り、ものづくりに励むことを選んでくれた。正に人生における大きな選択だったと思う。何とありがたいことか。

彼らのためにも、そして今いる社員全員のために、会社をもっともっと変にしなければならないと、痛切に感じた。これからガンガン進めて行くと心に誓った。

精密機械や精密部品を作りたいという若者が、まだたくさん日本にいる。彼らに、好きなことを職業にできる喜びと、時に辛さも味わってもらいたい。こうした若者が日本と世界のものづくりを背負って行く。

新入社員は前列の4名。もちろん僕は違います。

北京にて

初めて北京に行った。
大手FA部品メーカー”キーエンス”さんの新製品プレス発表会に参加するためだ。

何でその発表会にTSSが?

上がり続ける中国の人件費は、製造コストの急騰を招き、多くの製造業が、人から機械への移行を始めている。中でも検査という工程は、お金を生むプロセスではないのに、お金と時間がかかっていて、どの会社でも自動化をしたいと考えている。今回、キーエンスさんが開発した、中国向け画像検査装置は、そのニーズに応えるものである。しかし、それを買ってくればそのまま使えるかというと、そうではなく、まだ自動化の日が浅い中国には、製造技術や生産技術を持つ会社が少ないため、検査装置を機能させるために必要となる、設備側を自前で作ったり、調達したりすることが難しい。そこで、我々の出番というわけである。

検査装置を売る上で、周辺設備をセットにして提供することが、中国市場のソリューションのひとつと考えたキーエンスさんが、我々にお声をかけていただいたということである。これにより、お客様によって違う、製品の大きさ、形状、検査方法、検査対象などに対応することができ、ビジネスチャンスが広がる。

こちらとしても、キーエンスさんのような大手メーカーが持つ、ネットワークを通して、今まで会うことのできなかった新しいお客様とつながりをもつことができたり、我々自身でも思いつかないような、技術の活用方法を提案されたり、多くの発見ができ、メリットを享受できるわけである。

日本では、大手電機メーカーが軒並み大きな赤字を計上し、そのうちの一社であるSharpの筆頭株主にFox Connがなったり、Panasonicは携帯の国内生産撤退を発表したりと、厳しさが増す一方だ。翻って中国では、土地バブル崩壊寸前と言われていても、新たなビジネスチャンスが次から次へとやってくる。

日本のものづくり魂の大切さを訴える一方で、刻一刻と変わるインターナショナルなビジネス環境への対応。大きな変化とうねりの中にいる自分たちを感じている。

中国のメディア約20社に対してしゃべっている私。もちろん日本語で。