新たな門出

先日、社員の結婚式に出席させてもらった。

6月にも結婚式があったので、今年になって2回目だ。大事な社員達の結婚式は、とても嬉しいことだ。これまでは、男性社員の結婚式しか出たことがないので、男目線の感想にはなるが、家庭を持つこと、ベースを築くこと、家族が増えることは、人間を大きくするし、丸くするから、仕事にもそれが表れる。もちろん、独身者には、独身者の良さがあるので、優劣の問題ではないが、とにかく、おめでたいことである。

結婚式に出ると、いつも洗われる気持ちになる。神父さんに、結婚の意味を改めて説かれ、伴侶がどれだけ大切なのかを思い出させてくれる。もう18年目に突入する僕の結婚生活は、けんかも稀にあるが、概ね順調で、仲良く暮らせているのだから、幸せだと思っている。結婚して良かったか?と訊かれたら「はい」と即答できる…と、ウチの話はどうでもいい。

最近の結婚式で必ずあるのが、スピーチ。

男性社員の結婚で、勤務する会社の社長となると、大体一番最初にしゃべることになる。朝礼や、業績報告など、社員の前で話すことが多いし、経営者の集まりなどもあるので、確かに人前でしゃべることは、多少慣れているほうだろう。それが理由で、しゃべり得意な方だと思われるらしいが、そんなことはちっともない。しかも、朝礼とは訳が違う。結婚をする夫婦にとっても、ご両親にとっても、普通は一生に一度のことなのだ。相手にとってのレアぶりが違うし、しゃべる相手が違う。スペシャルなのだ。だから、つい真面目なことを言おうとしてしまったり、ぎこちなくなってしまう。

で、しゃべり終えると、いつも反省。
あー、あれ言おうと思ってたのに、忘れてたとか、あんな表現して良かったんだろうかとか…

でも、一番大事なのは、自分としてベストを尽くしたか。せっかく指名してくれたのだから、その気持ちに何とか応えたい。でも、力まず、自然に、自分が本当に思うことを伝えるしかない。虚構はバレるし、伝わらない。何よりも全力の相手に失礼だ。結局最後は、そこに落ち着く。

そうは言っても、なかなか上手くはいかないんだよ。
今も発展途上中。だからな、これから結婚する社員のみんな、僕にスピーチを頼むときは、心して。

最後に、これまでご結婚された社員のみなさん、おめでとうございます。

おめでとう!

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携帯電話

iPhone5が発売され、Appleのものづくりと執念に共感する僕としては、新たなユニボディとチリ合わせを徹底した製品精度を自分の持ち物として確認しなければならない。芸術作品であるiPhone4/4Sをどう進化させ凌駕するのか、とても興味がある。歴代のiPhone達は、ものづくりとソフトウェアが高度に融合された、現代のアートであり、これを持つことは、単純に喜びである。

でも、今回はiPhoneの話ではない。

打ち合わせをしているとき、携帯電話が鳴る。そのとき僕は、お客様や緊急の電話でない限り、出ないことにしている。それはなぜか。

打ち合わせをしたり、誰かと会っているということは、自分が時間を調整し、それに参加している方も時間を調整して、その場を作っている。相手が複数なら、その場が成立しているのは、その人数の自乗で奇跡的な状況だ。社内会議なら、コストのことも無視できない。だから、その時間は貴重だし、実際に面と向かって話す以上のコミュニケーションは、ほぼない。だから、限られた大事な時間なのだ。

携帯電話の技術が素晴らしいことに疑いは無い。たった今、この瞬間に、地球の真裏のブラジルの人と、リアルタイムに話ができるって、スゴいことだ。宇宙とも話すことだってできる。江戸時代にタイムスリップして、今僕らが普通にしていることを話しても、信じてもらえないだろう。たった150年程度前なだけなのに。

電話をかける相手は、こちらの事情を考慮しない、というかできない。いつでも、どこでも、誰に対してもかけられるのだから。こちらが、どれだけ”奇跡の時間”を過ごしていようが、電話をかけてくる相手は、それを知る由もない。ただ暇だという理由でかけてきているかもしれないし、すごく大事な用事かもしれない。でも、目の前にその人がいていくれる時間が限られているのに対して、携帯電話の場合は、その限りがないのである。

もちろん、何もなければ、電話に出る。僕に電話をかけてくれていることは、本当にありがたいことだし、その方に失礼なことをしてはいけない。しかし、電車に乗っている時、映画を見ている時、講習を受けている時に、電話に出ないのが、周囲の人への配慮として当たり前であるのと同様に、自分のために時間を割いて、その瞬間に目の前にいてくださる方々に、最大の敬意と配慮が必要ではないだろうか。

とうことで、僕が電話に出なくても、どうかお許しを。

とか言ってるウチにGet。やはり芸術品だよ。マットブラック大好きな僕には、たまらん。