東京マラソン Vol.5

今回で5年連続5回目の出場となった東京マラソン。

楽しかった。

実は、過去4回、一度も楽しくなかった。
正確には、楽しいは楽しいが、辛い方が勝ってた。
「じゃあ何で走るの?」と思われるだろうが、それを一番知りたいのは自分だった。
しかし、今回は楽しかった。
なぜなのか。

過去4年の成績は、
2011年 4:31:25
2012年 3:58:32
2013年 4:11:23
2014年 4:04:59(以上、全てネットタイム)

ということで、2012年以来、サブ4(4時間以内のタイムでフルマラソンを完走すること)から遠ざかっている。原因(言い訳)は様々で、2013年は、怪我したとか、2014年は直前に風邪をひいたとか、要するに自己管理がなってないわけである。さらに、日本陸上競技連盟が認める公式記録は、3年で失効するらしく、もし今年、4時間を切れないと、「あっ、僕ですか?一応サブ4です。」って言えなくなるのである。ダサい。(実は、2012年も公式記録であるグロスタイムは4時間超えているのだが、自分に甘いので許す。)

結論から言うと、2015年の東京マラソンは、満を持してサブ4を達成することができた。

見よ!後ろの時計は、まだ3時間53分36秒。ムフフ。

見よ!後ろの時計は、まだ3時間53分36秒。ムフフ。

2011年、最初のマラソンでは、スタートからぶっ飛ばし、30kmから、脚が動かなくなり、撃沈。2012年は、同じ戦法で5分05秒/kmのハイペースから突入。25km付近からタイムが落ち、最後は8分台のどん底まで行くも、念願のサブ4を達成した。
2013年は、怪我で準備ができず、惨敗。

転機が訪れたのは、昨年2014年の東京マラソン。調整万全にもかかわらず、直前に風邪をひき、準備不足で出場した。スタート直後から、体は重く、心拍はバクバク。仕方なく、サブ4ギリギリの5分40秒/kmペースで走る。いつもなら楽チンの品川折り返し(だいたい15km)で、既に辛い状況になり、そこからゴールまでは永遠だった。しかし、5分40秒/kmのペースは、それほどキツいスピードではなかったので、30km近くまで、それを維持することができ、その後も大きな落ち込みはなく、何とか4時間4分59秒でゴール。学んだことは、最初は辛かったのに、30km以降も止まることなく、ペースを維持できたということ。サブ4を記録した2012年よりも、35km以降は速かった。

そして、2014年10月に、社員みんなで応募したら当選してしまった大阪マラソン。10月最後の週末といっても、最高気温は26℃の夏日。だから、最初から記録は狙わず、贅沢なLSD(Long Slow Distance:ゆっくり長く走るトレーニング)だと思って、楽しく走るつもりで参加した。スタートから6分台前半/kmのペースで走っていたら、30kmを過ぎてもまだ走れる自分に気づき、最後は5分台前半/kmで走っていた。40km以降のタイムが一番良かったのに驚いた。

それまでは、エネルギーは限られているのだから、体力のある前半にできるだけ突っ込んで、タイムを稼いで貯金を築くスタイルだった。でも、大間違いだった。前半でセーブして、後半にタイムを上げるなんて、怖くてとても信じられなかった。

2015年の東京マラソンの目標は、ずばり!「イーブンペース」。

42.195kmをイーブンペースでサブ4にするには、5分41秒/kmで走れば、3時間59分48秒でゴールする計算だ。それでは、あまりにギリギリなので、少し余裕を持って、5分30秒/kmで走り続ける。そうすれば3時間52分04秒でゴールすることなる。

今回、これまでと変えたことは、3つ。

一つ目は、トレーニングメニューを変えた。トレーニング量は、2014年の時よりも、むしろ少ないくらい。これまでは、レースのペースで走るトレーニングだけだったが、坂道トレーニングや、だんだんスピードを上げるビルドアップ、LSDなど、種類を増やした。11月から1月まで、月100km強を走り続けた。平日は、6kmくらいの距離を週に2〜3回。そして週末には20km以上。12月と1月には、一回ずつ30kmトレーニング。そして、30km以上は一度も走らなかった。

二つ目は、本番前の走行量を増やした。これまでは、1月末まで辛い練習をして、2月になるとパタッとそれを止めた。しかし、それはサボり過ぎだったらしい。過去4回の本番前の3週間は、合計50kmも走っていなかったが、今年はその期間に130kmも走った。もちろんそれまでの月よりも、一度に走る距離やスピードを落として、軽めの調整にしたが、前日まで走り続けた。

三つ目は、レース序盤のペース。それまでのトレーニングから5分30秒/kmで30kmを走ることが、そんなに苦しくないことがわかっていた。本番の体調と、それまでの糖分補給に問題なければ、絶対に35kmまでそのペースで行ける自信があった。それ以上速く入ると、これまでの二の舞なので、とにかく、ゆっくり入ることを心がけた。

レース当日。雨。マジ?僕、晴れメンなんですけど。
5回目にして、初の雨。これまでとの変化点といえば、唯一。社員のMが幸運にも当選して走ったことだ。彼はかつて長野マラソンで雪を降らせたことがある、いわくつきの雨男。強敵だ。

いよいよスタート。小雨の振る中、スタートしたが、それはすぐに止んだ。
晴れメンですから。

昨年サブ4を達成しているラン仲間のA先生とスタートで会い、「最初は5分30秒で行こう」と、お約束。スタートからしばらく、逸る気持ちを抑えて、時計を見ながら、5分半を維持。しかし、トレーニングでも5分15秒くらいで走っているA先生は、しびれを切らして、10km地点で視界から消えてしまった。ついて行こうとも思ったが、ここで飛ばしては意味がないと思いとどまる。遠ざかるA先生の背中はイケていた。

そのあたりから右足裏が着地の度に痛み始めた。違和感はしばらく続いて消えた。15kmからは、時計をほとんど気にすることなく、クルージングモードに入る。沿道からの「スーパーマン!」の声援にも元気に応えたが、「飛べるのに何で走ってんだ?」と言われた時には参った。

一度消えた右足の痛みがハーフ地点の銀座あたりで戻ってきた。そのとき、足の裏の皮がズレている痛みだとわかった。着地の度に鋭い衝撃が走ったが、我慢できなくもない。結局、残りの半分は、ずっとこの痛みと一緒だった。

それ以外は、何も問題ない。というか、こんなに辛くなくていいのか?というくらい、楽しかった。雷門を折り返す28km地点でも、全然疲れていない。そして、過去4回の全てで強烈なダメージを負わされた35kmの佃大橋の坂も、難なくクリア。「何だこりゃ?」である。そりゃ、30kmを超えたら、それなりの疲れはある。フレッシュではないし、今すぐ止めたい。でも、辛くなかった。当初、5分30秒/kmペースで佃大橋までいって、問題なければペース上げちゃおうかな?なんて言っていたが、さすがにそれは無理。豊洲を過ぎて、埠頭エリアに入ると、運河などを越えるために、橋が増え、アップダウンが激しくなるという、後半がドSな設定。そこでも確かに辛いが、なんとかペースを維持できた。

5km毎のラップタイムと結果は、ご覧の通り。
Point  Laptime  Split time (Net time)
05km 0:27:42   00:28:26 (0:27:42)
10km 0:27:39   00:56:05 (0:55:21)
15km 0:27:10   01:23:15 (1:22:31)
20km 0:27:10   01:50:25 (1:49:41)
25km 0:26:50   02:17:15 (2:16:31)
30km 0:27:06   02:44:21 (2:43:37)
35km 0:27:45   03:12:06 (3:11:22)
40km 0:28:07   03:40:13 (3:39:29)
Finish 0:12:19   03:52:32 (3:51:48)

公式タイムでの4時間切りは人生初。
総合順位 6,998位/34,562人
男子フルマラソン6,178位/26,836人
年齢別45歳から49歳まで1,372位/5,590人

5km毎のタイムは最速26分50秒から最遅 28分07秒で推移している。5で割って1kmに直すと、最速5分22秒/km、最遅5分37秒/kmで、見事にイーブン。
5分30秒/kmのイーブンペースなら、ネットが3時間52分04秒のところ、3時間51分48秒。42.195km走って16秒の誤差でゴール。我ながら完璧だ!

沿道の声援は、スタートからフィニッシュまで止むことはなかった。僕の周りで走っていたランナー達は、間違いなく僕と同じか、それ以上の練習をして、この大会に臨んでいる。そんなにたくさんの人が、僕と同じ経験をしていたのかと思うと、走りながら愛おしくなった。

今年の東京マラソンは、間違いなくこれまでのベストマラソンだった。2012年のサブ4も、嬉しいには嬉しいのだが、「なんだ、サブ4ってこんなものなんだ?」という程度。一言でいうと、まぐれのようなもので、自分がコントロールした感覚がなかった。

今回は目的を明確にして計画的に練習をし、戦略を立ててレースに挑み、その通りに走れた。自分ができるかどうかのギリギリなチャレンジ領域に目標を設定して、それをクリアした。計画を立て、準備をし、実行する。当たり前だが難しい。

そして、沿道の応援と一緒に走ったランナーの皆さんが、素晴らしかった。余裕を持って走れたから、それを感じたし、走っていて、こんなに充実した気分は初めてだった。何しろ、元来走るのが大嫌いな人間なのだから。

楽しかった理由。
それは、とっても微妙な楽しさと辛さのバランスの中で、楽しいところを見つけたから。人は、楽チン過ぎるとつまらないし、キツ過ぎると辛くなる。ちょうどいいところがいい。これまでは、事前の練習で培ったものと、本番のスピードやペース配分が合ってないから、辛すぎた。今回は、スピードこそ速かったけど、それが合ってるから、無理はしていない。かといって楽もしていない。そういうゾーンを見つけられた。そして、そこに自分を置けた。そういうことだと思う。

ゴール後、A先生と再会した。10kmから先も快走されたようで、目標の3時間50分よりも遥かに速い3時間43分でゴールしている。お互い充実したレースを走り、健闘を讃えあった。そして、別れ際に、交わした言葉。

「(楽しくって)もう止められないですね?」

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